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F社 BCP (事業継続計画)対策_1
創業77年、本社社屋は都心部に築56年。会社社長から本社社屋の建て替えをご相談をいただいたのは6〜7年前でした。近年RC造の建物の耐用年数は、RC造(鉄筋コンクリート造)と同様、50年とされています。一般的に老朽化は気になるポイントではありますが、社長の立て替え動機はもう少し広義な BCP (事業継続計画)対策で、災害に強い本社屋にすることでした。コロナの影響で建築費のコストも跳ね上がり、免震構造は諦めて耐震構造レベルにとどめましたが、非常用発電機を設置しました。本社以外に全国14支社、国外にも1社を抱えた経営者として、大災害時の対応力を考慮されてのことでした。建築施工が始り、仮社屋に移転後の1年4ヶ月後に無事に完成しました。社員の方々も含めて定例会を重ねて、使い勝手を熟慮した上で、機能性の向上もご提案しました。駐車場を確保しつつ、新社屋は将来を見据えて1フロアー増えました。「環境」を企業コンプライアンスにしているので高性能ペアガラスを使用し、空調設備に一括管理システムを導入しました。屋上を緑化したり、建物を前面道路から引いて配置したり、道路際に植栽帯を設置して周辺環境の美化に配慮しています。
「完成までに紆余曲折したエントランスホールの内装を気に入ってくださった事は嬉しかったです。」と担当設計者のコメントがありました。エントランスホールの評価はお客様、社員の両者のモチベーションに繋がり嬉しいことですね。社会のシステムや自然環境は大きく変わると予測される昨今、会社のコンプライアンスと社屋の建築は密接な関係を伴います。※内部のご紹介などは次回 TOPICSでご紹介します。
BCP/過去の道路冠水の経緯から1階床は道路より50㎝上げている。災害による停電に対応できる様、プロパンガス式の非常用発電機が設置され非常用コンセントが各所に配置されている。
無人受付/社員のスマートフォンと連動する最新システム。
エントランスホール/会社のコンプライアンス・品質感を石張りや間接照明で演出。ウォームなベージュ系カラーリングが落ち着いた印象を与えている。
設計:石原・山口計画研究所 内装仕上・什器提案:株式会社イトーキ 施工:東急建設株式会社 Photo by SS Co.,Ltd